webデザイナーさんの「AIで作った業務委託契約書」を法的にレビューしました。
- 2月9日
- 読了時間: 2分

地元の異業種交流会でお会いしたwebデザイナーさんの業務委託契約書を拝見する機会がありました。直感的に専門家が作成したものではないと思いましたが、「生成AIに作ってもらった」とのことでした。
内容が正しければAIが作る契約書でも問題はないのですが、契約書は「我が身を守る盾」でもあり、「争うための剣」でもあります。それがいざ裁判になった時に錆びついていたり、脆く折れやすかったりしたら、使い物にはなりません。むしろ、自分の身を危険に晒すことになってしまいます。
法律の世界では、『契約は守られなければならない』というルールがあります。
契約書に記載された内容は、裁判において強力な証拠になります。書いてある通りの契約だと扱われますし、書いてないことを請求するのは至難の業です。
たとえトラブルになった後に弁護士・司法書士に相談をしても、「この契約書ではどうにもなりません」と言われてしまう可能性もあります。泣き寝入りとなることも珍しくありません。
今回は、AI作成の契約書を抜本的に作り直すことにしました。幸い、AI契約書を読めば「こういう契約内容にしたい」ということは読み取れました。さすが昨今のAIは賢いな…と言わざるを得ません。
まず、法律文書としての体裁を整えました。フォント・書体・文字の大きさ・用語の統一・小文字/大文字の区別など多岐に渡ります。
次に、各条項の中身を整えました。webデザイナーさんが一方的に不利になる表現を修正し、いざ裁判になってしまった時に備えます。
この契約書は『業務委託契約書』という名前ですが、契約の中身は民法上の「請負契約」になります。そのため、民法の規定から逸脱して無効にならないこと、民法の規定に上乗せして争いに備えることなどを意識して修正しました。
最後に、不足を補う条項を追加しました。反社条項や紳士協定など、契約の中身とは関係ないけど念のため入れておく条項です。
法律専門家は、「最終的に裁判となった時にどうなるか」というイメージを持ちながら契約書を作成します。
一般の方には大げさに聞こえるかもしれませんが、私たちは実際に現場でさまざまな法律トラブルを目の当たりにして、紙ペラ一枚の契約書に後悔する方を多く見てきたのです。
契約書作成は、専門家に依頼しても数万円程度のことがほとんどです。
トラブルを未然に防ぐための「予防法務」として、私たち司法書士をぜひ頼ってみて下さい。




